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売買契約と請負契約

家を買うとか建てるときの契約には、売買契約と請負契約があります。ふつう建売住宅等では売買契約を、注文住宅等では請負契約を結ぶことになります。売り建て住宅あるいは建築条件付き住宅等では、土地を売買契約、建物を請負契約とすることもあります。
いずれの契約にも共通することですが、いちばん大切なのは、契約に何が含まれていて何が含まれていないのかを解る範囲で確認し、了解したうえで契約書にハンコをつくということです。
 


家はほぼ一生に一度の大きな取引です。思い違いのないよう、これらの契約で、買主/建主は、何を手に入れようとするのか、しっかりと確認することが何より大切だと思います。
一般の方にとって難しいのは、建物のよしあしが、広さや間取り、内外観デザインだけでは判断できないことです。実用上問題になる性能のうち、耐震性は「確認申請」を通して建築基準が守られますが、耐久性(長持ちするかどうか)や温熱環境(暑さ寒さ)については、性能表示制度を利用しない限り、自己責任なのです。
分譲住宅の事業主側は、間取りや内外観や快適性(シックハウス対策や室内換気装置)については、建材や設備機器という目に見える形で売りやすいので配慮しますが、骨組み壁の中や屋根裏の通気、断熱、気密はあまりお金をかけても目に付きにくいので手を掛けないことがあります(中にはこれらもしっかり造り込まれている分譲住宅もありますが)。
もし、こういった性能(> 安全性 > 快適さ > 耐久性)にまで気を配って家づくりをしたいとお考えであれば、これらのことについて取引契約の前にぜひ確認することです。気にしない方にまでは勧めませんが、弊社へのご相談の中には、大変気にされるのだけれどすべては契約してしまった事後のケースが多くあります。ご注意ください。
そして、そういった性能内容の取り決めの方法は、売買契約と請負契約によって、けっこう違ってきます。

 
   
売買契約の場合は、現状有姿による引渡、つまり引渡時にあるがままの状態で取り引きされます。一方、請負契約の場合は契約書に記載された仕様内容での引渡が約束されます。
どちらも、「住宅の品質確保促進法」により、新築後10年以内に構造上主要な部分に生じた故障は売主に無償補修する義務が生じますが、これはいわゆる「欠陥」があったときのこと。もっとふつうの建物の全般的な仕様程度、たとえばどんな長持ちする工夫があるのか、暑さ寒さはどうかなどは、性能表示制度を利用しない限りは、個々の契約によるのです。
 
   
売買契約では、間取り図と内外装仕様、設備仕様は明記されると思いますが、できれば壁の中や屋根裏、基礎仕様にまで踏み込んで確認されるほうがいいでしょう。建売住宅は詳細図まで用意されていることはありませんので、その住宅の確認申請をする建築士に説明を求めるか、実際に建物が完成している場合は、床下や屋根裏にもぐって詳しく調べてみるなど、取引が現状有姿を前提とされる以上、それがどのようになっているのかを知ってから契約されることです。
 
   
請負契約では、間取り図と内外装仕様、設備仕様以外に、どこに何をいくらで造るかということが内訳明細書に明記されてしかるべきです。そうではなく、これらを一式工事として費用計上したままでは、何をいくらで造ってもらうのかの取り決めが曖昧なままです。相手先の会社や社長さんの人柄を信用することはとても大切ですが、それと契約行為とは別次元の問題です。工事着手後、疑問や不安に思うことがありそうなら、契約前に内訳書を確認してください。
また、請負契約では、その契約内容をどのように工事確認するのかという手だてについても明記されるといいでしょう。つまり工事管理体制や現場責任者の氏名や管理頻度を押さえることがポイントです。営業担当者は技術上の有資格者ではなく、現場をコントロールする責任者ではありません。
 
 
建物は、多かれ少なかれ竣工したときから劣化が始まります。契約仕様で建てられた家が、将来そのように傷み始めどういう対策ができるのかまで、想像してみてください(> 故障と改修。契約は夢ではなく現実を手に入れることです。その現実について、何を約束してもらっているのか、何が取り決めされないでいるのかを、しっかり確認して納得してからハンコをつくようにしてください。
どんな建物も、現場では具体的に造られるわけですから、事前に解らないということはないのです。すべての建物には法的に設計責任がある建築士個人(けっして会社や団体ではないのです!)がいます。その建築士に工事契約内容を確認して、疑問があるとか納得できない部分があるようなら、契約しない勇気をもつことも必要です。
 
   

 

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